海外調達事業の営業を担当している貿易チームの福地です。

ベトナムへの渡航が緩和されたことをきっかけに、2年ぶりにベトナムへ出張しました。当社の海外調達製品は10年ほど前まではほとんどが中国からの輸入でしたが、2013年からチャイナプラスワンの取り組みを掲げてベトナム調達先の開拓を取り組んだ結果、今では輸入品の半数以上がベトナム調達に変わりました。

コロナ禍で状況が一変したこの2年半の間、当社でも営業スタイルを変化させ、新たな製品にもチャレンジしてきました。精度の厳しい大量生産の製缶品、高精度の機械加工品やロストワックス加工部品など、今まで取り組んだことがなかった高難度の製品のご注文を頂くことができました。これらはお客様の希望により全てベトナム調達品となっています。通常時であれば、何度もベトナム工場に足を運んで打ち合わせをしたり、出荷前にはお客様と同行で立ち合いをおこなうような難しい製品ばかりでした。

お客様とベトナム工場とのZoom打ち合わせ、検品の様子

コロナ禍では海外出張が困難だったため、これらの試作打ち合わせから量産の出荷前検査まで、全てZoomなどWebミーティングを活用したリモートで対応しました。リモートでは現地で直接確認することができないため、今まで以上に製品や加工工程、品質管理に対する理解を深めることが必要であり、お客様の要望と現地工場側意見を双方に漏れなく伝えるための資料作りなど、正直なところ大変な部分も多かったです。しかし、コロナ禍以前よりも多くの新規案件をご注文頂くことができ、苦労した甲斐がありました。
（秘密保持契約を結んでいる案件ばかりなので詳しくご紹介できないのが残念です。）

このように、海外出張をしなくてもリモートでの対応で何とかなっていましたが、どんどん進化しているベトナム工場の生の状況をいつまでも知らないままではお客様に新しい情報やご提案をすることができないと思い、渡航緩和を機にベトナム出張を決行しました。

関西空港では結構な人の多さでしたが、日本人の出張者はまだ少なめ

今回は久しぶりのベトナム出張ということで、お客様も興味を持ってくださったようで、様々なご相談をいただき、いつもとは違う対応も現地でおこないました。

＜お客様からの要望＞
１．「ウチが注文しているベトナム工場がどんなところか見てみたい」
→Zoomを利用して現地工場からの検品中継や工場案内をリモートで実施しました。
日本とは時差が２時間あるため、昼休みを調整して頂いたお客様もいらっしゃいました。

２．「こんな製品、ベトナムで○○円くらいで作れるところ無い？」
→ベトナム出張中にお客様からLINEでメッセージをいただき、たまたま翌日訪問する工場で製作が可能だったので、その場で価格交渉してお客様にLINEでリアルタイム報告。OKを頂きすぐにサンプル製作開始。（引き合いをいただいてから試作開始まで、過去最短記録です。）

３．「中国に注文していた製品がロックダウンで入ってこなくなった…。急いでベトナムで作ってほしい」
→連絡をいただいた時にはベトナム出張も後半だったので既にスケジュールが埋まっており、製作候補の工場には訪問する余裕はありませんでした。そのため急きょ工場の責任者に宿泊先ホテルのロビーまで来てもらい、品質注意点や価格を打ち合わせし、工場側もその場で指定の材料が入手できるかを確認してくれ、なんとかご希望納期に間に合わせることができました。

ベトナム工場での打ち合わせ風景

タイミングにも恵まれましたが、現地にいたからこそスピーディに対応することができたと思います。また、現地でしか手に入らない情報がたくさんあり、思いもよらない嬉しい発見（営業ネタ）も多くあり、非常に有意義な出張となりました。メールやWebミーティングでもある程度の情報は入手できますが、やはり現地で得られる情報の多さ・濃さには敵わない、ということを改めて実感できました。

今でも多くのお客様からベトナム取引工場への同行訪問の相談を頂いていますが、コロナ禍以降は海外出張のハードルが高くなり会社から許可をもらえないお客様も多くいらっしゃいます。そういったお客様のためにも、これからも情報収集を欠かさずおこない、現地でのリアルタイムな情報・状況をお伝えしたいと思います。

「ベトナム調達ならコンヒラに任せておけば何とかしてくれる」と、お客様から頼られる存在を目指して、チーム一丸で頑張ります。

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