【減圧脱水装置Umie】~ 食品製造・食販加工工場の廃水処理 ~
減圧脱水装置 Umie神戸陸上営業チームの阪口です。
今回は、食品製造排水についてお話しをしたいと思います。
日本では年間約4億トンの産業廃棄物と約4000万トンの一般廃棄物が発生していることを皆さんご存知でしょうか。その4000万トンもの一般廃棄物のうち、約2500万トンが生ごみで食品廃棄物です。(2018年環境省統計)
平成13年に循環型社会形成基本法の下で食品リサイクル法が制定され、製造工程で出る生ごみの48%が、飼料化・肥料化など再利用されています。
実は生ごみ処理に一役を担っているのが生ごみ処理機ですが、臭気対策が必要で、脱臭機やスクラバーなど付帯設備が必要です。
また、生ごみ処理機は処理工程で廃水が発生します。その廃水は排水基準を大きく上回る値となり、排水処理が必要となります。
発生廃水の一例
項目\分析項目 | pH | BOD | COD | n-Hex | SS | T-N | T-P |
水素イオン濃度 | 生物化学的 酸素要求量 |
化学的 酸素要求量 |
ノルマルヘキサン 抽出物質 |
浮遊物質 | 窒素含有量 | 全リン含有量 | |
発生廃水 | 3.9 | 26000 | 7000 | 9300 | 7500 | 710 | 86 |
どの数値も非常に高く、食品製造排水と変わらないデータです。
食品製造・食材加工工場では排水基準を高く上回る排水が発生するため、排水処理が必須となっています。しかしながら排水処理のよくある問題点として
・油脂濃度が高い
・処理水質が不安定
・添加薬剤など高額なランニングコスト
・生物処理の保全管理
・熟練オペレーターの老齢化
などに対処しながらご関係者は排水規制値以下にするため、苦労されているのが現状です。
一般的な規制値:抜粋と食品製造廃水処理フロー例は、以下のとおりです。
(河川放流基準は、県条例・場内排水基準などにより厳しい基準が設けられている場合があります)
一般的な規制値:抜粋
規制項目 | 下水放流基準 (mg/L) |
河川放流基準 (mg/L) |
その他基準として、窒素含有量、 リン及びその化合物などがあります。 |
|
---|---|---|---|---|
BOD | 生物化学的酸素要求量 | 600以下 | 120以下 | |
SS | 浮遊物質 | 600以下 | 150以下 | |
n-Hex | ノルマルヘキサン抽出物質 | 30以下 | 30以下 |
食品製造廃水の処理フロー例
非常にリスクの高い高濃度の食品製造廃水ですが、ここで蒸留法を利用した減圧蒸留濃縮事例を紹介いたします。
食品廃水例―1 | 食品廃水例―2 | |||||||
項目 | 原水 | 回収水(凝縮水) | 項目 | 原水 | 回収水(凝縮水) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
水素イオン濃度 | pH | 5.8 | 4.6 | 水素イオン濃度 | pH | 6.8 | 4.7 | |
化学的酸素要求量 | CODMn | 19400 | 200 | 化学的酸素要求量 | CODMn | 127000 | 1600 | |
生物化学的酸素要求量 | BOD | 12600 | 260 | 生物化学的酸素要求量 | BOD | 320000 | 9800 | |
浮遊物質 | SS | 18000 | <5.0 | 浮遊物質 | SS | ― | ― | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | n-Hex | 18000 | <2.0 | ノルマルヘキサン抽出物質 | n-Hex | ― | ― |
食品廃水例―3 | 食品廃水例―4 | |||||||
項目 | 原水 | 回収水(凝縮水) | 項目 | 原水 | 回収水(凝縮水) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
水素イオン濃度 | pH | 6.7 | 7.2 | 水素イオン濃度 | pH | 4.1 | 4.5 | |
化学的酸素要求量 | CODMn | 4500 | 7.8 | 化学的酸素要求量 | CODMn | 2300 | 72 | |
生物化学的酸素要求量 | BOD | 3500 | 15.3 | 生物化学的酸素要求量 | BOD | 4800 | 350 | |
浮遊物質 | SS | 13000 | 10.5 | 浮遊物質 | SS | 2350 | 7 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | n-Hex | 180 | 4.5 | ノルマルヘキサン抽出物質 | n-Hex | 20.8 | 2.3 | |
塩素イオン濃度 | Cl | ― | ― | 塩素イオン濃度 | Cl | ― | ― | |
窒素含有量 | T-N | ― | ― | 窒素含有量 | T-N | 430 | 4.8 | |
リン及びその化合物 | T-P | ― | ― | リン及びその化合物 | T-P | 110 | <0.1 |
減圧脱水濃縮は、以下のようなしくみで処理を行ないます。
減圧脱水装置Umie
いくつかの処理事例を紹介しましたが、原水の濃度に対して回収水は約1/100に下がっています。
数値は、そのまま放流できる排水処理基準までにはなりませんが、排水処理設備への負荷は大幅に低減できることがご理解いただけるかと思います。
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