【減圧脱水装置Umie】~ 蓄電池や太陽電池系製造廃水の処理 ~
減圧脱水装置 Umie蓄電池事業は、カーボンニュートラル実現のカギとなる技術であり、自動車をはじめとするその他移動手段電動化の最重要技術です。
デジタル社会の基盤を支えるインフラ要素の一つである電池市場は、各分野と共に拡大の一途で、特に車載用電池は急速に進んでいます。
また、発電用再生可能エネルギー設備も拡大を続け、太陽電池の世界市場は2030年には3~4兆円規模に成長し、二酸化炭素排出量を削減するための重要なソリューションとしてインド・中国・日本で拡大すると言われています。
モノづくりから切り離せないのが排水です。
蓄電池や太陽光発電システム製造でも以下のような重金属が使われ、おのずと排水処理が必要となります。
蓄電池系、太陽電池系の製造に含有する主な重金属類例 | ||||||||
Pb | Cd | As | Se | Sb | Cu | Zn | Sn | Ag |
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鉛 | カドミウム | ヒ素 | セレン | アンチモン | 銅 | 亜鉛 | すず | 銀 |
有害性の観点から部材などを中心に製造工程中から鉛、セレン、カドミウムが含有した排水が発生することが考えられます。
これら重金属の処理には難しい成分もあり、セレンなどは処理が難しく、凝集法・吸着法やフッ素添加法などを組み合わせた処理になるようです。
これら重金属は、排水中には固形物化されているものの他に、イオン化されている場合が多く、上述のような化学的・物理的処理を行なうより、蒸留法による処理の方が設備を簡素化でき、導入費や設置スペースを省けるメリットがあります。
以下に、蒸留法による太陽電池系・蓄電池系製造廃水参考データをご紹介いたします。
太陽電池系製造廃水 参考データ例.1 | 太陽電池系製造廃水 参考データ例.2 | |||||
分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | 分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | |
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水素イオン濃度 | 12.3 | 11.2 | 水素イオン濃度 | 11.8 | 8.6 | |
生物学的酸素要求量 | 3470 | 130 | 生物学的酸素要求量 | 8720 | 120 | |
化学的酸素要求量 | 6720 | 140 | 化学的酸素要求量 | 6400 | 68 | |
浮遊物質 | 280 | <2.0 | 浮遊物質 | 7.2 | <2.0 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | – | – | ノルマルヘキサン抽出物質 | 15 | <1.0 | |
窒素含有量 | 13400 | 3210 | 窒素含有量 | 3.7 | <1.0 | |
亜鉛およびその化合物 | 1130 | <0.1 | 鉛及びその化合物 | 4.8 | <0.01 | |
全シリカ濃度 | 234 | <1.0 | 塩化物イオン濃度 | 8300 | <1.0 | |
全有機体炭素濃度 | 8320 | 130 | 全有機体炭素濃度 | 7220 | 89 |
太陽電池系製造廃水 参考データ例.3 | 蓄電池(リチウム)系製造廃水 参考データ例.4 | |||||
分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | 分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | |
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水素イオン濃度 | 12.0 | 8.2 | 水素イオン濃度 | 4.3 | 5.2 | |
生物化学的酸素要求量 | 24 | 12 | 生物学的酸素要求量 | 84 | 12 | |
化学的酸素要求量 | 56 | 20 | 化学的酸素要求量 | 93 | 46 | |
浮遊物質 | 13.5 | <2.0 | 浮遊物質 | 18 | <2.0 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | 2.6 | <1.0 | ノルマルヘキサン抽出物質 | 2.5 | <1.0 | |
窒素含有量 | 28 | <1.0 | フッ素及びその化合物 | 210 | <1.0 | |
鉛及びその化合物 | 5.3 | <0.01 | 全有機体炭素濃度 | 340 | 22 | |
燐及びその化合物 | 2.1 | <0.1 | コバルト含有濃度 | 2650 | <0.05 | |
全シリカ濃度 | 220 | <1.0 | セレン及びその化合物 | 780 | <0.05 | |
全有機体炭素濃度 | 28 | <1.0 |
このような廃液を蒸留法で処理する場合、蒸留していく過程で濃縮液中にイオン化している物質や浮遊物質が結晶化し、濃縮残渣固形物が発生する場合が多いです。
処理方法としては、弊社の幾つかの廃液処理装置の中で、真空ポンプを用いた減圧脱水装置が適しています。
以下に減圧脱水装置”Umie”の概要をご紹介いたします。
【減圧脱水装置Umieの概要】 | |
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廃液は蒸留槽に給液され、減圧下で間接加熱すると沸点が下がった蒸発水分は熱交換器で凝縮し、回収水となります。蒸留槽内の廃液は次第に濃縮され減容します。減容率を設定しておき、設定値に到達すると自動的に濃縮残渣が排出されます。 |
世界はウクライナ情勢など色々な出来事で混迷を深め、日本国内では物流コストや廃液処分費なども高騰しており、廃液処理にお困りのお客様より様々な廃液の減容化でお問合せをいただくことが多くなりました。
弊社では、お客様の内容をよくお聞きし、ラボテスト(無償)や実機によるテストをお客様と共に行ない、適した処理方法をご提案及び協議することで案件の解決に全力を尽くしております。
ご検討されているお客様やお困り事がございましたら、是非ともお問合せいただければと存じます。
ご連絡をお待ちしております。
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