【減圧脱水装置Umie】~アルカリ脱脂・洗浄廃水の処理~
減圧脱水装置 Umie神戸陸上営業チーム 阪口です。
今回は脱脂洗浄についてのお話しを交えながら、弊社廃液処理製品を紹介させていただこうと思います。
「洗浄」とは、衣類・食器・食品から車、金属加工製品、半導体、ロケットまで、ありとあらゆるものを物理的・化学的に汚れを取り除く行為を指します。
汚れを取り除く目的は、衛生面だけにとどまらず、産業界では必要であり、重要性の高い工程のひとつです。洗浄は取り除くものや対象物によって千差万別です。
「脱脂」は、金属加工ではめっき・塗装などの表面処理や金属表面に付着した油脂分を取り除く洗浄も兼ねるため、脱脂洗浄と呼ばれます。工程としては脱脂だけでなく埃、錆などを除去する酸洗やアルカリ洗浄剤を洗い流す「水洗」も組み合わせるのが一般的です。
アルカリ洗浄剤の主成分は炭酸水素ナトリウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウムで、油脂分とアルカリが結合することで強力に脱脂できる言わば石鹸となるわけです。
このような廃水は、界面活性化や高アルカリ状態になっている場合が多く、また洗浄後の成分には多種の重金属類が含まれます。中には一般的な凝集沈殿法では除去できない物質も含まれることが多いです。
よくご相談いただく案件はアルカリ洗浄廃水の減容化です。
アルカリ系廃水の産廃処分費用は、地域や成分などで大きく異なり、30~100円/kg程度と幅があり、廃水の低減には常に問題となるテーマです。
以下に蒸留装置によるアルカリ系廃水のテスト参考例をご紹介します。
アルカリ洗浄廃水テスト例-1 | アルカリ洗浄廃水テスト例-2 | |||||
分析項目 | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | 分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | |
水素イオン濃度 | 9.5 | 8.9 | 水素イオン濃度 | 10.2 | 9.3 | |
生物化学的酸素要求量 | 13000 | 92 | 生物化学的酸素要求量 | 15000 | 35 | |
化学的酸素要求量 | 24000 | 120 | 化学的酸素要求量 | 21000 | 67 | |
浮遊物質 | 5.0 | <1.0 | 浮遊物質 | 27000 | <1.0 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | 18 | <1.0 | ノルマルヘキサン抽出物質 | 630 | <1.0 | |
溶解性鉄含有量 | 10.2 | <0.1 | 硫酸イオン濃度 | 1800 | 0.3 | |
ニッケル含有量 | 2.8 | <0.1 | ホウ素及びその化合物 | 250 | <0.1 | |
銅含有量 | 1.5 | <0.1 | ヨウ素及びその化合物 | 3200 | 4.3 | |
窒素含有量 | 1400 | 3.4 | ジオキサン含有量 | 370 | <1.0 | |
全有機体炭素 | 16000 | 62 | 燐含有量 | 130 | <0.1 | |
電気伝導率(μS/㎝) | 26000 | 18 | 電気伝導率(μS/㎝) | 6200 | 12 |
酸・アルカリ混合廃水テスト例 | アルカリ脱脂廃水テスト例 | |||||
分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | 分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | |
水素イオン濃度 | 8.5 | 7.8 | 水素イオン濃度 | 12.5 | 9.6 | |
生物化学的酸素要求量 | 1600 | 45 | 生物化学的酸素要求量 | 3000 | 120 | |
化学的酸素要求量 | 3500 | 30 | 化学的酸素要求量 | 3800 | 75 | |
浮遊物質 | 32000 | <1.0 | 浮遊物質 | 3400 | <1.0 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | 230 | <1.0 | ノルマルヘキサン抽出物質 | 2800 | 2.4 | |
ニッケル含有量 | 7200 | <0.1 | 銅含有量 | 2.7 | <0.1 | |
溶解性鉄含有量 | 4.6 | <0.1 | ニッケル含有量 | 3.2 | <0.1 | |
ホウ素及びその化合物 | 480 | <1.0 | クロム含有量 | 4.3 | <0.1 | |
クロム含有量 | 5.3 | <0.1 | 亜鉛含有量 | 460 | <0.1 | |
亜鉛含有量 | 4600 | <0.1 | 溶解性鉄含有量 | 320 | <0.1 | |
硝酸イオン濃度 | 21000 | <1.0 | 窒素含有量 | 460 | 3.4 | |
燐含有量 | 240 | <0.1 |
上述に挙げる成分項目の殆どが、排水基準に規制がある物質です。
ご覧の通り、対象廃水を蒸留にて液分離し、回収した水は規制に掛からない程度の水質に低減できています。
※本テスト例は参考値であり、廃水性状や成分により異なる場合がありますので、テストが必要です。
テストで用いた装置の概要をご紹介いたします。
【減圧脱水装置Umie 概略フロー】 | 【装置の処理工程】 |
製品ラインナップとしては廃液の処理量に合わせ、時間当たり25~1000Lの装置をご用意できます。
装置についての詳細なご説明やご相談など、何なりとお申し付けください。
廃水のラボテストは無償で対応しておりますので、お気軽にお問合せください。
ご連絡をお待ちしております。
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