【減圧脱水装置 Umie】~ 界面活性剤のはたらきと処理 ~
減圧脱水装置 Umie神戸陸上営業チームの阪口です。
今回は、皆さんが知っているようで知らない界面活性剤のはたらきや役割と、そんな液剤が含有された廃水の処理についてお話させていただきます。
界面活性剤というと、まず思い浮かべるのは洗剤ではないでしょうか。
お仕事で油まみれになった手!調理でギトギトになった食器!片付けするのもたいへんですよね。
恐縮ですが、ここで私が作った料理を紹介! えっ!見たくない! そう言わずに箸休めのつもりで。
クリスマスに作った「パエリヤとローストチキン」達です!(-_-;)
話を界面活性剤に戻します・・・。
洗剤も昔に比べ、今はお肌にやさしい・地球にもやさしいものが多く販売されていて便利な社会になりました。
例えば、水と油のように混ざり合わない液体、水をはじいた葉っぱの表面などに洗剤を加えるとなじんでしまう働きを持っているのが界面活性剤です。
このように洗浄だけでなく、界面活性剤の役割は浸透・乳化・起泡/消泡・潤滑・柔軟・分散・防錆など、たくさんの機能を持っています。
大別すると、水に溶かした時マイナスイオンを持つ陰イオン(アニオン)界面活性剤、プラスイオンを持つ陽イオン(カチオン)界面活性剤、両方のイオンを持つ両性界面活性剤、イオンにならない非イオン(ノニオン)界面活性剤の4つに分類されます。
各種の機能や用途を以下にまとめました。
分類 | 機能 | はたらき | 用途 |
陰イオン(アニオン)界面活性剤 | 乳化、防錆、起泡、分散 | 混合、泡立ち、固体と液体の分散、防錆 | 洗濯用洗剤、シャンプー、インキ、塗料、防錆 |
陽イオン(カチオン)界面活性剤 | 殺菌、柔軟 | 抗菌作用、滑らかにする | リンス、洗濯用洗剤、殺菌剤 |
両面活性剤 | 浸透 | しみこませる、潤い | シャンプー、洗剤 |
非イオン(ノニオン)界面活性剤 | 乳化、溶解、分散、 潤滑、消泡 |
混合、消泡、溶かす | 洗濯用洗剤、乳化剤、金属加工、消泡剤 |
多様なはたらきをするそれぞれの界面活性剤の調合が商品開発には活かされています。
これらの製品工程で発生する廃水もさまざまで、厄介な廃水のひとつです。処理方法としてはイオン系界面活性剤の場合、凝集剤による凝集沈殿法と活性炭吸着の組合せになりますが、元々分散効果のある界面活性剤に対し、それに打ち勝つため大量の凝集剤投入となります。非イオン系処理の場合、更に酸・アルカリ薬剤投入及び加圧浮上法、微生物を使った活性汚泥処理法が必要となり、また微生物栄養維持のための窒素・リン添加と温度の管理など、高い建設費と維持管理費が求められます。
ここで、弊社の蒸留法による減圧脱水装置Umieの参考処理データを紹介させていただきます。
機械部品洗浄廃水例.1 | 界面活性剤(陰イオン系)含有廃水例 | |||||
分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | 分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | |
水素イオン濃度 | 12.5 | 10.2 | 水素イオン濃度 | 8.4 | 7.8 | |
生物学的酸素要求量 | 12100 | 72 | 生物学的酸素要求量 | 8.4 | 7.8 | |
化学的酸素要求量 | 8240 | 25 | 化学的酸素要求量 | 8560 | 160 | |
浮遊物質 | 2560 | <2.0 | 浮遊物質 | 190 | <2.0 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | 63200 | 32 | ノルマルヘキサン抽出物質 | 4520 | 4.5 | |
陰イオン界面活性剤 | 10.8 | <0.1 | 陰イオン界面活性剤 | 3.8 | <0.1 | |
非イオン界面活性剤 | 1720 | <0.1 | 銅及びその化合物 | 180 | <0.01 | |
窒素含有量 | 180 | 5.3 |
機械部品洗浄廃水例.2 | 研磨加工廃水例 | |||||
分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | 分析項目(mg/L) | 原水(mg/L) | 回収水(mg/L) | |
水素イオン濃度 | 12.6 | 9.5 | 水素イオン濃度 | 9.2 | 10.1 | |
生物学的酸素要求量 | 6580 | 63 | 生物学的酸素要求量 | 1020 | 73 | |
化学的酸素要求量 | 5200 | 20 | 化学的酸素要求量 | 340 | 23 | |
浮遊物質 | 38800 | <2.0 | 浮遊物質 | 2500 | 20 | |
ノルマルヘキサン抽出物質 | 102000 | 24 | ノルマルヘキサン抽出物質 | 230 | 4.6 | |
陰イオン界面活性剤 | 21 | <0.1 | 陰イオン界面活性剤 | 40.8 | <1.0 | |
非イオン界面活性剤 | 840 | <0.1 | ||||
窒素含有量 | 190 | 8.2 |
生産工程によっては、複数種の界面活性剤が混和した含有廃水が多く、濃度も異なります。
参考データの通り、装置処理後で得られる回収水は原水に対し、各界面活性剤濃度が低減できていることがわかっていただけると思います。
弊社では、実機テストの前にラボテストを行い、加熱蒸留時の廃液性状変化や濃縮倍率の見極めなどを確認し、報告書を提出させていただきます。(ラボテストの作業は無料で対応しております。)
凝集沈殿・加圧浮上・活性汚泥法などの排水処理ではない、減圧脱水装置Umieの導入をご検討されてはいかがでしょうか。
界面活性剤含有廃水の処理でお困りのお客様がおられましたら、是非一度お問い合わせいただきたいと存じます。ご連絡をお待ちしています。
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