【蒸発濃縮装置Umie】~食品製造系の小規模事業場廃水処理~
減圧脱水装置 Umie
神戸陸上営業チームの阪口です。
今回、特定施設と食品製造小規模事業場の実情を説明させていただき、蒸留法による廃液処理例を解きながら、弊社廃液減容装置を紹介させていただきたいと思います。
日本の公共水域における水質汚濁を防止する法律では人の健康や生活環境に害をもたらす恐れのある物質を排出する施設を「特定施設」と定めています。
環境省特定事業場調査では、約67%の事業所が有害物質未使用で、有害物質使用50㎥以上の排水量事業場は14%、50㎥未満の事業場は19%だったとの報告があります。
平成27年度の特定事業所数は26万カ所程度ありますが、一律排水基準が適応される事業場(平均排水日量50㎥以上)は3万程度で、ほとんどが規制に掛からない小規模事業所(平均排水量50㎥未満)となっています。
規制対象外とはいうものの、汚水を放流することは環境破壊のトリガーであることは事実です。特に食品製造における廃水などは、有機物を多く含んでおり、環境への負荷は深刻と言えます。
分類 |
化学的酸素要求量 COD(mg/L) |
|
全事業場 |
200 |
食品製造系以外 |
30 |
食品製造系 |
600 |
処理設備を検討する場合、製造する製品や発生成分で異なりますが、以下のような排水処理施設や方式が挙げられます。
物理処理 |
除去方法 |
比重 |
篩(ふるい) |
濾し |
熱エネルギー |
電気エネルギー |
浸透圧 |
応用技術 |
沈殿、浮上分離 |
スクリーン |
ろ過 |
蒸発、乾燥 |
電気分解 |
膜分離 |
化学処理 |
除去方法 |
酸化/還元反応 |
複合分解反応 |
|
応用技術 |
酸化/還元 |
中和、凝集 |
|
物理化学処理 |
除去方法 |
界面電位 |
吸着 |
置換 |
電気化学反応 |
超臨界 |
|
応用技術 |
凝集沈殿 凝集浮上分離 |
活性炭吸着法 |
イオン交換法 |
電気透析 |
超臨界水分解 |
生物処理 |
除去方法 |
好気性分解 |
嫌気性分解 |
|
応用技術 |
活性汚泥法 脱窒 |
嫌気性消化法 |
|
食品製造の小規模事業所では、工場の排水を生物化学的酸素要求量(BOD)300㎎/L未満、浮遊物質量(SS)300㎎/L未満、ノルマルヘキサン抽出物質(n-Hex)30㎎/L未満を目安とし、設置場所の制限や低コストで容易なメンテナンスとコンパクトな処理装置のニーズが高まっています。
食品製造・食材加工工場では排水基準を大きく上回る排水が発生するため、排水処理が必須となります。
食品製造廃水処理フロー例を以下に挙げさせていただきました。
ここで、非常にリスクがある、高濃度豆類系食品製造廃水の減圧蒸留濃縮事例を紹介いたします。
豆乳系製造廃水テスト例-1 |
|
豆乳系製造廃水テスト例-2 |
分析項目(mg/L) |
原水(mg/L) |
回収水(mg/L) |
分析項目(mg/L) |
原水(mg/L) |
回収水(mg/L) |
水素イオン濃度 |
6.4 |
8.7 |
水素イオン濃度 |
6.2 |
5.5 |
生物学的酸素要求量 |
112000 |
110 |
生物学的酸素要求量 |
46000 |
120 |
化学的酸素要求量 |
54200 |
37 |
化学的酸素要求量 |
48000 |
28 |
浮遊物質 |
13000 |
<5.0 |
浮遊物質 |
1200 |
<5.0 |
ノルマルヘキサン抽出物質 |
8600 |
<2.0 |
ノルマルヘキサン抽出物質 |
7300 |
4.3 |
窒素含有量 |
4800 |
46 |
窒素含有量 |
6200 |
<2.0 |
燐含有量 |
1300 |
<0.1 |
燐含有量 |
720 |
<0.1 |
大豆系豆腐製造廃水テスト例-3 |
|
大豆系豆腐製造廃水テスト例-4 |
分析項目(mg/L) |
原水(mg/L) |
>回収水(mg/L) |
分析項目(mg/L) |
原水(mg/L) |
回収水(mg/L) |
水素イオン濃度 |
4.1 |
3.8 |
水素イオン濃度 |
5.2 |
4.2 |
生物学的酸素要求量 |
10200 |
180 |
生物学的酸素要求量 |
6300 |
160 |
化学的酸素要求量 |
9500 |
52 |
化学的酸素要求量 |
7600 |
52 |
浮遊物質 |
370 |
<2.0 |
浮遊物質 |
850 |
<2.0 |
ノルマルヘキサン抽出物質 |
10.3 |
<1.0 |
ノルマルヘキサン抽出物質 |
15.3 |
2.4 |
窒素含有量 |
5400 |
28 |
窒素含有量 |
4700 |
32 |
燐含有量 |
670 |
<0.1 |
燐含有量 |
820 |
<0.1 |
蒸留法による処理で、排水処理設備への負荷は大巾に低減できることが、ご理解いただけるかと思います。
テスト例は参考であり、製造廃液の種類や濃度によって異なることをご了承ください。
弊社では廃液を減容化する装置として、減圧脱水装置と蒸発脱水装置があり、以下のようなしくみで処理を行ないます。
二つの廃液減容化装置で、お客様の廃液特性を見極め、最適な設備をご提案して参ります。
排水処理でお困りのユーザー様やお客様よりご相談を受けられた窓口会社様がございましたら、是非この機会に、お問い合わせいただきたく存じます。
弊社では、ラボテストは無料で実施しておりますので、お気軽にお声掛けください。
ご連絡をお待ちしております。
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