【改善して無駄をなくして、喜んでいただく時間を増やそう】~コンヒラの行動規範 その4~
2024/10/01|社長ブログ
社長の山本太郎です。
前回は当社コンピテンシーの3つ目「渦の中心になろう、PDCAの中心になろう」について紹介しました。今回は当社コンピテンシーの4つ目「改善企画力」を紹介させていただきます。
コンピテンシーの4番目は「改善企画力」
「仕事の生産性、収益性、職場環境をよりよくするための改善案、企画案を考え、実行している」という行動習慣を指します。
まず、「改善」とはその字のとおり、「今を改めて、より善くすること」です。では何を善くするのか?当社には改善評価制度があり、9つの項目に分けて評価しています。
この9つの項目は最初「費用ダウン」と「システム化能力」から始まり、徐々に項目が増えてきて、今は9つになっています。すべての項目を話すと長くなるので、今回は「費用ダウン」だけに絞って紹介させていただき、他の項目はまた別の機会とさせていただきます。
当社での改善のための「費用ダウン」とは、具体的に金額に計算されて効果を算出しますが、この時「時間の無駄」「場所の無駄」という2軸で見ます。この言葉を聞いて、「トヨタの7つのムダゼロ」を思い出す人もいらっしゃるのではないでしょうか?トヨタの7つのムダとは①加工のムダ、②在庫のムダ、③不良/手直しのムダ、④手待ちのムダ、⑤造りすぎのムダ、⑥動作のムダ、⑦運搬のムダです。そして面白いのが「ムダの定義」もはっきりしており、私の解釈では「お客様にとって付加価値を生まないもの」です。(参考図書:トヨタ生産方式 大野耐一著)
これはモノづくりのメーカーしか関係ないと思う方もいると思いますが、すべての業種、職種に使えます。例えば事務仕事でも「誰も見ない集計」があれば、その時点で「顧客(上司)にとって価値がないもの」となるので、集計表を作ること自体が「加工のムダ」だし、集計を渡しているなら「運搬のムダ」「動作のムダ」、修正しているなら「手直しのムダ」。各部署に集計を依頼しているなら、その回答を待つ間は「手待ちのムダ」となります。更に言えば、提出された集計や、自分が作った集計をチェックするのは「確認という動作のムダ」です。その集計をサーバーやファイルに保管しても「在庫のムダ」となります。誰も見ない集計を「やめる」と一気にこれだけの無駄がなくなるのです。
10年ほど前まで残業が多かった当社が、この10年で一人当たりの売上が増加しても、残業がほぼゼロとなり、有休取得が積極的に行われるようになったのは、「一つ一つ小さく見えるムダ」をゼロにしてきたことが一因でもあります。ただ、一つ一つの無駄はわずか数秒なので、あまり目立たず、社内には「なぜ、こんなに残業がなくなったのだろう?」と不思議で説明できない方も多いのが特徴です。つまり無理せず無駄ゼロが実現できたのです。今期も昨年度に比較し10%以上売り上げがアップする予定ですが、相変わらず残業は増えていませんし、有休取得日数も増えています。この結果、当社が定期的に社内アンケートしているなかで、ワークライフバランスについて社員の回答スコアが高くなっています。
この結果、1時間あたりに生み出す付加価値は増加したため、それを人件費として還元することができ、ここ数年も安定して人件費を上げていくことができたのです。
「費用ダウン」だけでもこれだけの効果がありますが、コンヒラの改善企画の評価項目はこれ以外に8個あり、少しずつ増えてきました。
一番全社的に改善に力を入れていた時期は年間160件(といっても、一人当たり年間約3.2件と聞けば、案外敷居が低くなるのではないでしょうか)でしたが、この時期は劇的に残業が減りました。現在は、慣れ症になって、改善申請件数がかなり減ったのですが、だからといって残業は増えていません。これは「なぜなんだろう?」と不思議だったのですが、「日頃からムダを見つけて、ムダゼロにする見方、行動が習慣化した」からだと思います。
そう思ったのは理由があります。当社の事務所にいらした方のほとんどから「整理整頓されている」と言っていただけるのですが、10年以上前は書類の山でした。これも「整理整頓活動」を思い切りやった後は、「整理整頓しよう」と力を入れなくても、高いレベルで整理整頓が維持されるようになったのです。そしてその後入社してくる方たちは、最初からその風土にはいるので、整理整頓がすぐに習慣化して、そのまま組織的に維持されるようです。この経験があったので、今回も同じことが起きたのかなと思いました。
この「改善企画力」を行動習慣と思考特性として日頃から発揮できているかを明文化したのが「コンピテンシーの4つめ」であり、それを評価することによって、全社員が絶えず意識し、かつ習慣化できている方を評価できることで、本人へも改善から生まれた価値を還元できるようにしています。