【渦の中心になろう、PDCAの中心になろう】~コンヒラの行動規範 その3~
2024/09/01|社長ブログ
社長の山本太郎です。
前回は当社コンピテンシーの2つ目「挑戦と執着心」について紹介しました。今回は当社コンピテンシーの3つ目「渦の中心力」を紹介させていただきます。
コンピテンシーの3番目は「渦の中心力」
「自主的に渦の中心になり、具体的な目標と計画を設定して、周りの協力を得ながら達成に向けてPDCAを中心で回そう」という行動を指します。
まず、前回紹介した「挑戦」とは、自分の現状より「より高いところ。ちょっと無理じゃないかと思える程度の目標」を設定し挑戦することだと紹介しました。
しかし、今まで到達したことのない高い目標に挑戦するのですから、まだ経験したことのない予期せぬ「障害」や「リスク」が考えられ不安になるはずです。しかし、そのリスクの先にだけ「成長」が待っています。そこでできるだけリスクをコントロールしながら着実に高い目標へたどり着く手段が有名なPDCAです。(PDCAについては、こちらをご覧ください)
いつも通いなれた車の通勤路であれば、会社という目標地点に定時までに間に合うように到着することは、特に計画しなくてもスムーズに到達できるでしょうし、途中の渋滞などのリスクもある程度過去の経験から想像できます。仮に突発の事故渋滞に遭遇しても、慌てず抜け道や、別の道に即座に切り替えるリスク回避も対応できるはずです。これは「挑戦」ではなく「ルーティン」ですから、日本語に言い換えれば「日課」「習慣」「お決まりの手順」となります。「ルーティン」は決して悪いことではなく、特に考えなくても速やかに処理する方法として長けています。
では、これが一度も行ったことのない外国の地で、しかも会ったことのない取引先の開拓をするという状況になるとどうでしょう?これは明らかに「挑戦」になります。外国語が得意でなければ、なおさら不安も大きいことでしょう。いきなり「海外に行って、新規の協力会社を開拓してください」と言われれば、多くの方が尻込みすると思います。まさに「できるかなと思えるレベルの目標に向けた挑戦」です。
そこで必要になるのが、「計画」です。その計画にはまずこう書くことでしょう。「通訳を探す」「飛行機を予約する」「ビザを調べて準備する」「ホテルを予約する」「現地の開拓候補先を事前にネットで探してリスト化する」など。そして、ざっと「*か月ぐらいかるかな~?」など時間を書き込んだ計画(PDCAのP)を決めて、あとはPDCAをクルクルと回すはずです。行き当たりばったりで、いきなりPDCAのD(実行)とA(調整・リカバリー)だけで進める方もいますが、かなり効率が悪く、気が付くと目標を見失ったり、目標が変わってしまったり、目標が消えてしまう場合さえあるので、やはり効率よく目標にたどり着くには計画を立ててPDCAを回す方が良いのです。
ただ、行き当たりばったりのDとAだけでも、前回紹介した「執着心」で何とか目標までたどり着く方もいますし、その方が早い場合もあります。ただこれには条件があり、一人(または2~3人の少人数)だけで行う仕事であれば、行き当たりばったりでも早いのでアリかもしれません。ところが、これをもう少し大きく組織的に行おうとすると、行き当たりばったりではかなり抵抗が生まれ、無理があります。なぜなら、自分の行き当たりばったりの進め方に、組織の仲間が振り回されて抵抗しはじめたり、ついてこれなくなったり、逃げてしまったりするからです。
つまり、ちょっと無理かなという目標に向けて、一定程度以上の規模となった組織が、皆で高い目標にたどり着く場合はPDCAを回す必要があり、そのPDCAを中心で回す人は、基本的に一人でなければいけません。何人かいるように見えても、うまく回っているPDCAとは必ずキーマンが一人で回しているはずです。たとえば巨大な建築現場の中心ではいつも「現場監督」が「工程表(予算含む)」をにらみながらあちこちと調整しつつ現場を回しています。ところが小さな一人親方(または少人数の職人集団)の現場では、計画は合っても粗く、または必要がなく「現場合わせ」と言って、その場でどんどん実行(Do)することを決めて、現場調整(Action)で次々変更しながらでも進められます。
このように、組織的に大きな目標にたどり着いて、成長し続けるには渦の中心になってPDCAを回せる能力が必要です。でも若い方からは「そんな能力どうやって身に着けるの?」と言われそうですが、答えは案外簡単です。小さな仕事(業務)の幹事から何度も経験すればよいのです。
どんなに小さな仕事でも「自分が中心になって目標まで回し切る」ことが大事です。実は大きな仕事であろうと小さな仕事であろうと、PDCAの基本的な回し方は同じだからです。だからこそ何度も何度も自分一人が渦の中心になってPDCAを何度も回せば、自然に身につき成長していきます。だからこそ、大手会社では新入社員にどんどん「食事会、懇親会などの社内イベントの幹事」を任せるのです。そして、みなさんよく観察してみてください。仕事ができる人は、些細なイベントでも「幹事がうまい」はずです。幹事がうまいと、また依頼が来ます。仕事も同じで、仕事のPDCAを回すのがうまい人に、どんどん仕事の依頼が集まってくるものです。つまり自分への指名が増えるということは、自分の価値を認められたという状態になります。
以上から、是非どんな小さな仕事でも良いので「自分から手を挙げて、自分が渦の中心でPDCAを回し、最後まで回し切る」ことを実践してみてください。やり続けているうちに、簡単にPDCAを回せるように成長しますし、気づけばまわりのみんなを高い目標につれていっているはずです。これが当社経営理念の「成長と幸福の実現」につながるのです。