【働きがいを実現する現場主義と現場交流をめざして】~組織の垣根を越えて~
2022/03/01|社長ブログ
社長の山本太郎です。
最近あちこちでご紹介されている「トヨタ副社長の日常」という動画を朝礼で社内紹介しました。
世界トップの巨大企業トヨタがマシーンのように動いているのではなく「現場主義」「人と人の現場交流」を通して経営が回っていることが分かる動画です。この雰囲気は、書籍や新聞だと伝わりにくいですが動画だとものすごく分かりやすいと思いました。
副社長を「おやじ」という後輩
現場でワイガヤしながらウロチョロする副社長
「いいと思えば、上司とぶつかってもやれ」という副社長
現場に近い副社長室
現場と同じお風呂、食堂、作業着の副社長
自分で運転して通勤する副社長
現場に興味を持つ副社長と、楽しそうに報告する現場
この一種、家族的な雰囲気がトヨタのいう現場主義であり、部門と上下を越えたワイガヤであり、また現場と経営層が一体ですすむ働きがいにつながる強さだと思います。
当社は20年ほど前に、仕事と部署の役割分担がほとんど何も決まっていない時期がありました。原因は当時20名以下の社員であれば人数がまだ少ないため一人でやる仕事の範囲が広く浅くなり、お互いに仕事範囲が重なりながら同じ仕事をしていたため、互いの仕事を切り分けず、曖昧な方が互いにカバーしやすく、関係性も良かったからです。例えると、片田舎で農家みんながあつまって一緒に田植えや収穫をしている風景に近いと思います。
ところが人数が40名を越え50名に近づき、事業が増え、組織の機能も細分化・多様化しはじめると、この曖昧さが弊害になり始めました。なぜなら、あまりにもあいまいだと、特定の人に極端に仕事が偏ったり、同じような仕事を無駄に別々に行う現象が生まれるからです。いわゆる文鎮型組織といわれるトップ1名に社員がいる状態になるため、一人のトップでは全部を把握することはできなくなり、また現場も忙しいトップの考えが分かりにくくなりますし、さらに現場の横の会話も希薄になります。
そこで、組織化を進め、部門別採算や機能別部門分け、仕事の仕分けを進めましたが、メリットと共にセクショナリズムが進みすぎ、結果「これは私の仕事ではないです。」「他部署には興味ないです」という典型的なセクショナリズムが生まれました。ただし各担当は狭い範囲を深く何度も行うようになるため専門性や慣れにより処理速度がアップし、生産性はあがりました。同一製品を大量生産し、個々人が決められた範囲だけ流れ作業のように行うイメージに近いです。
では大きな会社はどうでしょう?不思議に思い、すでに大きくなったのに成長が止まらないトヨタや京セラの方たちのお話を聞いてみると、役職者が現場に降りていきウロチョロしたり、部署を越えて他部署にも顔を出して動き回りながら、集めた情報を自部署に持ち帰って話しているそうです。
また当社の社内でも、営業、製造、設計が垣根を越えて同行して仕事をしている集団はコミュニケーションがよく、互いの情報も把握しながら連携できていることに気づきます。ポイントは「他部署、他の仲間に興味を持つ」という点です。
当社も組織化、分化、システム化をかなり進化・深化させてきましたが、次のステージにあがるためには、逆に部門を越えて上下左右に重なり合う組織運営が必要だと気づかされます。
そのため、装置のメンテ、据付を営業が手伝ったり、逆に営業に設計、製造が同行して技術的話をすることで販売支援することも今後推奨していきます。採用活動であれば学生目線で話せる新人が部署を横断してチームを組んで採用活動をし、社内アンケートで出た課題、期待は部門横断で現場で企画を回してもらい、コロナで希薄になった社内交流も形にこだわらず、社員自身が企画し、参加したいと思えるワイガヤ運営を模索しながら実現を目指していきます。
さらに言えばこのような取り組みが、社員の働きがいの実現にもつながると考えています。
これが私たちが現時点で目指すコンヒラビジョンです。